トラブル予測について説明します。
QC検定の範囲は 1級◎ 2級〇 3級△
[トラブル予測]とは、製造工程において、人、機械、材料、方法、測定、環境の6つの要素に関する[ 標準 ]や[ 基準 ]から逸脱したり、[ 標準 ]や[ 基準 ]に定められていない部分の[ 変化 ]の可能性を洗い出し、それらに伴う[ 影響 ]を[ 評価 ]する活動です。具体的には、人の意図しない[ エラー ]や意図的な[ 不順守 ]、設備の劣化や故障、部品・材料の仕様からの逸脱、およびそれらによって引き起こされる[ 不適合 ]な製品・サービス、[ クレーム ]、[ 事故 ]の発生などが挙げられます。
[トラブル予測]は、以下の手順で行うと効果的です。(JSQC-Std 21-001 より)
検討の対象となっている[ プロセス ](またはその構成要素である作業や設備など)で起こり得る[ トラブル ]を洗い出す事前準備として,過去のトラブル([ 5M1E ]の標準・基準からの逸脱,変化やその影響)の事例を収集し,その類似性にもとづいて[不具合モード一覧表]に整理する.
検討の対象となっている[ プロセス ],またはその構成要素である作業や設備などを細分化する.[ プロセス ]全体を大まかに捉えて検討する場合には,どのような[ インプット ]をどのような[アウトプット]に変換しているのかという点から[ プロセス ]を眺め,[ 要素工程 ]に分解する.
要素[ プロセス ](または[ 要素作業 ],コンポーネント・部品)ごとに,1.で整理した[不具合モード一覧表]を当てはめ,起こりそうな[ トラブル ]を列挙する.[不具合モード]を一つひとつ見ていき,当該の[要素プロセス]で起こりそうなものがあれば,当該の[要素プロセス]に合った具体的な表現に直して列挙する.
列挙した[ 不具合 ]について[ 対策 ]が必要か否か,[ 重要度評価 ]を行う.[ 発生頻度 ]が高く,発生した場合の影響が[ 致命的 ]で,発生してから影響が生じるまで[ 検出 ]できない可能性が高いものは,[ 対策 ]が必要となる.
[重要度スコア]が大きいなど,[ 対策 ]が必要と判断された不[ 具合 ]については[ 対策 ]を立案する.[ 対策 ]の立案では,はじめから一つの[ 対策 ]に絞って検討するのではなく,なるべく多くの[ 対策 ]を系統的に考え,そのなかから適切なものを選ぶ.
立案した[ 対策 ]には,各々の[ 対策 ]の有効度,費用,継続の容易性などの[ 評価項目 ]を決め,各々をランク付けし,その結果にもとづいてどの[ 対策 ]を実施するかを決める.
未然防止の[ 対策 ]は,多岐にわたるため,実施の担当者や日程などの計画を立て,漏れが発生しないようにする.
効果を[ 定量的 ]に把握するのに長い期間を要したり,[ 対策 ]を行わなかった場合との比較ができなかったりする場合も多い.実施に先立ち,[ 対策 ]を実施した場合に各々の不具合の[ 発生度 ],[ 影響度 ],[ 検出度 ]がどう改善されるかを見積もり,[重要度スコア]を計算し直す.
一定期間経ったら,実際に発生したトラブルの情報を集め,[ 効果 ]を確認する.発生したトラブルが,2.で細分化したどの[ 要素工程 ],要素作業,コンポーネント・部品で発生したものか,当該のトラブルに対応する[ 不具合 ]が手順3で列挙されていたかどうか,4.でどのように評価され,5.でどのように[ 対策 ]が立案されたかを見直す.これによって,手順1から手順5のレベルアップを図ることができる.
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